福生市長 基地のコロナ感染情報強く求める 運用に伴う安全確保と騒音低減も

加藤育男福生市長は22日、臨時記者会見を開き、21日に北関東防衛局を訪れ、横田基地の新型コロナウイルス感染症の情報開示や不祥事が続く運用に伴う安全確保と騒音の低減などを国と同基地に強く求めたと報告した。

在日米軍司令部は20日深夜、ホームページで基地別の感染者数を初めて掲載し、16日時点で10基地・施設で計140人が陽性と公表した。24日には沖縄の米海兵隊で新型コロナウイルスの感染者が新たに41人確認されたと発表した。

24日までに公表された同基地の感染者は4人。感染状況は米軍司令部から北関東防衛局を通じ都と基地周辺自治体に情報提供されている。ただ、6月日12に米国から日本に戻り陽性が確認された1人は16日の公表で含まれておらず、基地別の感染者数の公表基準は分かっていない。

不祥事については、オスプレイの部品遺失事故や人員降下訓練に伴うパラシュート、フィンの落下事故が続いているほか、17日には奥多摩町棚沢で同基地に所属する軍属が飲酒運転の事故を起こしている。

このほか、オスプレイの低空飛行や夜間訓練などに伴う騒音問題で市には市民からの苦情が相次いでいるという。

加藤市長は「基地内地には市民の不安を和らげる対応をしてほしい」と語った。


横田で働く日本人は2000人
うち福生市民は2割

米国本土では感染症が猛威を振るっているが、日米地位協定によって米軍関係者は米軍基地を経由することで検査を受けずに日本に入国できる。基地には2000人余りの日本人が働いており、このうち2割程度が福生市民だ。基地での感染症対策は日本と同等のものが求められよう。

「福生市の夜の街を介してクラスターが発生し、市中感染につながるのが最悪のシナリオ」と指摘する声が市民から上がっている。(岡村)