あきる野市 多西小学校 コロナ禍の修学旅行 小学校は10校全てで実施

マスク着用、適度な距離を保って日光東照宮を見学

あきる野市立多西小学校(田中雄二校長)の6年生102人は14日~16日、バスで栃木県日光市に移動教室(修学旅行)に出かけた。コロナ禍で不自由な学校生活を強いられている児童らにとって、最終学年の思い出を刻む貴重な経験となった。

新型コロナを理由に修学旅行を中止する自治体は多いが、同市は文部科学省の指針に沿って、安全対策を講じて実施する方針をとった。最終的な判断は各学校に委ねたものの、貸切バス移動の小学校は同校を皮切りに10校全てが実施の予定。新幹線などで移動する中学校の修学旅行は全校で中止となった。

同校では、感染を不安視するよりも、しっかり対策して行かせてあげたいという保護者の声の方が多かったという。学校側は出発の10日前に保護者向けの説明会を開き、安全対策の詳細や子どもが旅先で万が一体調を崩した際の対処の仕方などを丁寧に説明。保護者の同意を得た。

旅行中はマスクや消毒、検温といった基本的な安全対策に加え、例年なら男女別クラス単位で入浴するところを6人程度の班ごとにするなど学校独自の密を避ける工夫も取り入れた。食事の際は透明のパーテーションを設置し、会話もできるようにした。

児童らは3日間の行程で日光東照宮一帯の見学や日光彫りの体験を楽しんだ。

田中校長は「コロナ禍でも、当初参加を予定していた102人全員が参加した。子どもたちが安全の約束をしっかり守れたから無事に帰って来られた」と子どもたちの頑張りを称えた。例年と比べ日光は観光客が非常に少なかったためじっくり観光できたことや、こうした時期の修学旅行はかえって現地に歓迎されたこと、観光施設は感染対策が徹底されていたことなど旅先での状況を振り返った。(伊藤)