伝統の飾り結びを伝えたい 八王子で少人数制の教室主宰 飾り結び職人菊谷恭子さん

昨年の作品展に出した作品と菊谷さん。正絹の反物と結びを合わせた壁飾り

日本橋、銀座三越の七夕飾りや正月飾りの制作実績を持つ菊谷恭子さん(71)は、八王子市緑町の飾り結び教室「華結び」を主宰。少人数制で飾り結びの基礎から応用までの技術を教えている。

飾り結びとは、祝儀袋の水引を用いたあわじ結び、神社で購入するお守りの二重叶結びなどを代表とする、紐を装飾的に結ぶ手法、結び目のこと。

柔らかい紐の風合いを残しつつしっかり形を作るには高い技術を必要とする。菊谷さんの技術を見込み、九州から泊まりがけで受講する生徒もいるという。

菊谷さんは40年前、テレビで茶道の飾り結びを知った。形の美しさだけでなく、一度解くと持ち主以外は簡単に結び直せず必然的に鍵の役割を果たす仕組みの知恵と奥ゆかしさに感銘を受けた。

著名な作家の田中年子さんに師事し、伝統的な飾り結びの知識、技術を会得。2011年から新宿のカルチャースクールで講師を始め、14年に日本橋、銀座三越の依頼で七夕飾りを任された。「自分の教室で結びの良さをもっと広めたい」という思いが強くなり、同年8月、自宅のある八王子で「華結び」を開校した。

現在は、12日~15日に同市の芸術文化会館で開催される市民美術工芸展の作品を、生徒と共に鋭意制作中だ。

受講料は入学金5000円のほか、1回2500円のチケット制。材料費別途。問い合わせは090(4595)6925まで。(藤野)