成人式中止でも晴れ着の写真を 着付け料をサービス 福生 ことぶきや衣裳店 

記念アルバム用の写真を撮影する新成人

福生市加美平の「ことぶきや衣裳店」(森田祐和社長)は、新型コロナウイルス感染拡大による成人式の中止を受け、「式は中止されても一生に一度の20歳の晴れ着姿を写真に残してほしい」と、同店が着付け料を負担するサービスを行っている。店奥には写真スタジオがあり、プロのカメラマンによる撮影で記念アルバムが作れる。

成人式の中止を受け予約した晴れ着のキャンセルは多い。「成人の晴れ着姿は育ててくれた両親、祖父母へのお礼です。写真にすれば遠く離れていても見せられ、何年経っても残る。特に男性は紋付袴を着る機会は生涯に少ない」と話す。

同店はオリジナルの正絹の紋付袴を作り、その独自性と品質の良さで、毎年多くの晴れ着衣装がレンタルされている。地元の成人式で衣装がかぶらないように心配りも忘れない。先輩から後輩に口コミで評判が広がり、利用されている。

コロナ禍で昨年から結婚式、葬儀が縮小傾向にある。追い討ちをかけるような成人式の中止は、貸衣装店だけではなく、呉服店や洋服店、美容室、着付け、写真店、飲食業とさまざまな業種に打撃を与えた。森田さんは「商売はとても厳しいですが、苦しいのは自分だけじゃないと思う。喜ばれることで乗り切りたい」と話した。

問い合わせは042(551)4538まで。(山石)