30年以上続ける木工細工 あきる野市 内田佐公子さん

体が組み込みになっているお雛様。後ろの屏風まですべて木で作っている

あきる野市小川東の内田佐公子さん(76)は、小物作品を作る木工作家。木片や板を糸のこぎりで切り抜き、ヤスリで削り、トールペイントで色づけする。

手掛けるのはお雛様や五月人形、動物のキーホルダー、ウエルカムボードなどの比較的小さな作品。各地の手づくり市には「木工くすのき」で出店している。

木工のキャリアは30年以上。「糸のこぎりの作業が楽しくて、老化防止にいいですよ」と魅力を話す。

定年退職まで勤めた、昭島市の障害者施設で、作品づくりに関わったのが木工やトールペイントとの出合い。できた作品は利用者と販売。昭島市役所やモリタウン、国営昭和記念公園などさまざまな場所を借りて作品を広めてきた。

退職後に作った、自宅の一角の作業場で、作業するのが日課。特に楽しみにするのがサンタクロースなどのクリスマス用品づくり。木っ端も大切に作品に生かしている。

手づくり市で客や他の手作り作家と情報交換するのが創作の原動力という。新型コロ
ナウイルス感染症拡大で、手づくり市は中止が続いている。例年、売れ筋のお雛様や五月人形の作品を、今年は出品できないのが残念という。

兜をあしらった五月飾りの作品を手にする内田さん

「何を作ろうと考えるのが楽しく、ノートを持ち歩いて作品づくりのヒントをすぐに書き込むのが習慣になっています。次は木工で家や庭を作り、物語がある作品に挑戦してみたい」と抱負を話した。内田さんはトールペイントの土台作製なども請け負う。問い合わせは090(6189)5401まで。(山石)