福生市  石川酒造 「立春朝搾り」発売

フルーティーでフレッシュな飲み口の立春朝搾り

立春の未明に搾った生原酒を、その日のうちに味わってもらうイベントが3日にあり、西多摩の酒蔵では唯一、福生市の石川酒造(石川彌八郎社長)が参加。無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願した縁起酒「立春朝搾り」が発売された。

熊川神社の野口宮司が出荷前の酒に祝詞をあげてお祓い

日本名門酒会が1998年から実施するイベントで、今年は全国44蔵が参加した。石川酒造の参加は4年目。3日の零時半を過ぎたころから搾り始め、出荷分の4合瓶約5000本の瓶詰めが終わったのは8時ごろ。その後、地元熊川神社の野口裕教宮司がお祓いした酒を酒販店が次々に持ち帰り、予約客に販売した。

搾る日が決まっている「立春朝搾り」は杜氏泣かせの酒と言われる。同酒造杜氏の前迫晃一さん(36)は、「今年も何とか間に合いました。少し甘めだけど適度な酸味があって爽やかな、ぐいぐい飲める酒ができました」。石川社長は「おいしいお酒で春の始まりを共に祝おうという企画です。コロナで人と人との物理的な距離が遠くなっている今だからこそ、こうした心の距離を縮めることのできるお酒が必要なのではないか」と話した。

純米吟醸生原酒(アルコール分17度)。税込1760円。西多摩では青梅市の宏川屋酒店、ファンタス羽村店、福生市の瀬古本店、日の出町の「さかい屋」で取り扱っている。(伊藤)