日の出町 日本酒専門店「さかいや」 限定の地酒も豊富

つるつる温泉に向かう一本道の途上に店がある

明治8(1875)年創業の「さかいや」(日の出町大久野)。壁際の棚には喜正、千代鶴、澤乃井、多満自慢、嘉泉と西多摩5蔵の地酒が並ぶ。日本名門酒会の加盟店で、多満自慢の「立春朝搾り」や澤乃井の「寒仕込純米吟醸無濾過生原酒」など限定酒も扱う。

飲み慣れた酒を好む地元客に支えられる一方、つるつる温泉に向かう一本道の途上に店があることから、観光客も多く立ち寄る。

5代目店主の箕輪豪昭さん(62)は店で扱う酒は一通り飲み、客の問いに備える。「おすすめの酒は?」と問われたら、まずは冷やか燗かと飲み方を聞く。次に好みの味を尋ね、最適な一本を薦める。

家業に携わって余40年。勤めに出る気持ちもあったが、23、24歳の頃、先代が水害の復旧作業で手に大怪我を負い、「抜けられなくなった」。

名前の「豪昭」は「ごうしょう」とも読める。「父親からは『商売が傾いたら、北海道で寺を営む親戚を頼って坊主になれ』と、お寺さんのような名前をもらった」。この年まで、ついに修行に行かずに済んだ。

酒の味だけでなく各蔵の特徴や造りの違いなども教えてくれる箕輪店主

今は日本酒専門だが、個性豊かな国産ワインにも興味がある。「もうちょっと年をとったらワインでもたしなもうかな」。

営業時間は8時~18時(夏は19時まで)。火曜定休。問い合わせは042(597)0632まで。(伊藤)