あきる野市 紙しごと双清の中川さん コウゾ栽培から紙漉きまで ワークショップも
ワークショップ「畑から始まる和紙づくり」が昨年に引き続き、大悲願寺(あきる野市横沢)から徒歩5分ほどの畑で開催されている。一般的に和紙づくり体験というと紙漉きに限ったイメージがあるが、このワークショップは、コウゾの栽培から収穫、原料処理、紙漉きまで、和紙ができるまでの行程を体験する全6回のプログラムだ。
初回の20日は、芽の間引きや草刈りが行われた。2回目は6月初旬、1㍍ほどの高さに育ったコウゾの脇芽を採る「芽かき」を行う予定。ワークショップを主催する紙漉き職人の中川幸子さん(同市小中野)は「紙づくりの全工程を体験してもらうことで、和紙の本当の価値を知ってもらいたい」と話し参加者を募っている。参加者の都合に合わせて日程を調整することもでき、2回目以降からの参加も可能だという。
中川さんは、15年ほど前に紙漉きと出合い、埼玉県越生町の工房に通い始めた。本格的に和紙づくりの道に進みたいと、勤めていた会社を退職し、土佐和紙の産地である高知県で1年間修行。その後、東京都指定無形文化財「軍道紙」を漉くあきる野市の工房で5年間職人として働いたのち独立。現在は「紙しごと双清」を屋号に、原料づくり、和紙の製造販売、出張ワークショップを開催している。
栽培から紙漉きまで自身で行う中川さんは「紙漉き職人以上に減少しているのが原料生産農家。日本で紙漉きに使われるコウゾの多くは国外産のものになってきている」といい「あきる野に自生するコウゾを和紙に使えるように栽培、植栽し、原料生産していくことで、和紙の文化を守っていきたい」と語る。(鋤柄)