秋川 岡野酒店が創業50周年

通りからよく見える店構え

あきる野市秋川の岡野酒店が4月29日に創業50周年を迎えた。商品を切らさず、定休日の月曜以外は祝日も休まない経営方針で、周囲に大型店やコンビニができた今でも、地域の人に頼りにされる店であり続けている。

お祝いの花に囲まれる岡野店主夫妻

店主の岡野紀男さん(80)が30歳の頃、12年勤めた八王子の酒問屋を辞めて始めた店だ。妻の純代さん(78)と二人三脚、10坪の小さな店舗からスタートした。周囲が一面、桑畑だった時代。酒、たばこ、塩、米のほか食品などの日用品まで扱う店は1軒しかなかった。「家を建てる時は皆、うちからビールを買ってくれたものです」と紀男さんは振り返る。

順調に業績を伸ばし、1987年には新装して現在の店舗に。その後、大型酒販店の進出により店で酒を求める客は減ったが、地域の祭りや会合、中元・歳暮に伴う酒の配達は依然、需要があるという。パンや米、茶菓子なども扱い、サービスで配送もしているため、移動手段が徒歩か自転車しかない近所のお年寄りに重宝されている。

紀男さんはこれまで、配達依頼がいつ来ても対応できるよう、営業日には酒を飲まないようにしてきた。ある時、3軒の酒屋が営業する、少し離れた地域から祭りの酒の追加注文が入った。すぐに酒を届け、地元の酒屋を頼らない理由を問うと、「酒屋は皆、一緒に飲んでいる。岡野さんは飲まないから大丈夫だと聞いた」と言われた。以来、ますます酒には気をつけ、たばこも吸わなかったことが、結果として健康につながっているという。

現在は娘2人が加勢し、家族4人で店を切り盛りする。紀男さんは地域で長く商売を続ける秘訣を「商品を切らさないこと、時間に正確なこと」という。その心は、「店をあてにしてくれている人がいるから」。言葉どおり定休日以外は営業開始の8時30分前にはシャッターを開け、20時の閉店を実践している。

たばこの品ぞろえは多摩地区随一で、葉巻を含め300種類近くを扱う。問い合わせは042(558)7295まで。(伊藤)