青梅 Rug Time Labo トルコに魅せられ 衣・食・住で文化を伝える

西さんと則忠さん。カフェスペースは則忠さんの手作り

青梅市黒沢にある織物工場を改装したアンティークショップRug Time Labo(西由希店主)には、アンティークのトルコ絨毯や文様が美しい平織物のキリムなどのファブリック(織物)や民族衣装が店内に所狭し並べられている。西さんの夫、則忠さんがセレクトしたトルコ雑貨も販売。カフェも6月にオープンし、トルコチャイ(500円)やトルコ家庭料理のランチプレート(1000円)などを提供している。

現地でも目にする機会が少くなくなったというアンティークファブリックは、草木染めの羊毛で織られ、発色が美しく、なめらかな肌触りが特徴。大きいサイズは数10万円する品もあるが、丁寧に手織りされた品は、温かみのある風合いもさることながら、丈夫で長く愛用できる。

大分県出身の西さんは、美術系大学進学に伴い上京。卒業後、デザイン関係の会社に1年ほど勤めたが、次々と新しい物が求められ、消費される仕事に疑問を感じ退職した。時間をかけ作った物を、大切に使い続けてもらえるような仕事がしたいと、織りの仕事に興味を持った。

トルコアンティークのコレクターであり、同国の文化に精通する小田陽一さんが営んでいた新宿区の店を手伝い始め、多くのファブリックに触れた。日本の織物のように正確で緻密ではないが、幾何学模様の中に自由さを感じた。

2年ほど働いた後、自身でもキリムを織りたいとトルコに渡り、村の女性から織の技術や文化を学んだ。2年間修行し、自身のオリジナルキリムを織り上げた。帰国後、トルコで出会った則忠さんと結婚。2人が仕入れたファブリックや雑貨の展示会を開催し、販売するようになった。20年ほどそのような形で販売を続けたが、3年ほど前に自宅近くの旧織物工場を借りられることになりショップをオープンさせた。

「店を構えたことで、地域の面白い人たちが来てくれるようになった。黒沢の里山の風景の中で、のんびりとトルコの文化に触れてもらいたい」と話した。営業時間は時~時。水曜定休。問い合わせは090(8778)6892まで。(鋤柄)