秋川駅近くに手仕事ショップ開店 草木染と手織り・柚ら里

糸を染めるところから全工程を一人で手掛ける池田さん

秋川駅から徒歩10分の場所にある草木染と手織り・柚ら里(ゆらり)は手織り教室を終了し、このほど作品を販売する「手仕事ショップ」を開いた。

1坪ほどのスペースに、手織りバッグ、草木染スカーフなどのオリジナル作品が並ぶ。江戸時代の古布を使った巾着袋や倉敷ノッティング椅子敷きなども。値が張る品ばかりでなく、市内の草木で染めた糸で作るオリジナルお守りストラップ(1本660円)など手頃な商品もある。

店主の池田明美さんは、日本で数カ所しか織られていない宮城県白石市の伝統工芸「白石紙布」を継承する作家。紙布は手漉き和紙を細く撚った糸を手織りする。江戸時代、武具に使われ、幕府に献上するほど名を馳せた軽くて丈夫な布だ。

池田さんは白石市で技術習得し、岡山県の倉敷本染手織研究所、山形県米沢市、青梅市「月明塾」などで腕を磨いた。

巾着やスカーフなどの作品

日本工芸伝統工芸展などを受賞。ライフワークの紙布織りと生絹、紬など全国から注文を受けている。コロナ禍で教室運営が難しくなったため、作品販売に切り替えた。

戦前から使われる手織り機が並ぶ工房では、12月からティーマットの機織り体験も始める。池田さんは「日本古来の手仕事を続け、あきる野市での創作も20年になりました。コロナ禍の中、模索しながら手仕事を続けています」と話した。

小物商品は黒茶屋(同市小中野)、オンラインでも購入できる。営業は日曜~水曜13時~18時。問い合わせは042(533)3158まで。(山石)