奥多摩町立せせらぎの里美術館 植物を描き続けて35年 小澤七絵展が1月16日まで

小澤さんと新作「生きる 空」

「小澤七絵展」が奥多摩町立せせらぎの里美術館(同町川井)で1月16日まで開かれている。小澤七絵さん(67、羽村市羽加美)が四季折々の植物を描いた水彩画25点を展示。35年前から植物のみを描き続け、20年ほど前から同館で毎年展覧会を開催している。

土とサクラの根本を描いた「生きる 地」

作品は小澤さんの植物に対する思いがにじみ出るような優しい色合いで、生命のみずみずしさ、息吹が感じられる。これまで花や葉をモチーフとしてきたが、新作「生きる 地」は力強いサクラの根元と大地を描いたもの。「植物を描き続けてきた中で、生命を支える土の色が美しいことに気付いた。歳を重ねたことで足元にも目がいくようになった」と制作の意図を明かす。

30歳過ぎに師事した日本画家の「先人が残した作品を模写するのではなく、目の前にある美しいものを描くことが一番の学びになる」という教えを受けて以来、スケッチや写真をもとに制作はせず、常に植物を目の前に置き描くことにこだわっている。

「植物を育てたり、長く保たせたりすることが得意なんですよ」と話し、ムベが描きたいと思えば種から育てるなど、自宅の庭は数えきれない種類の草花で彩られているという。

「ここ数年は新作をたくさんは発表できなくなったが、これからも植物と触れ合い、描き続けていきます」と話した。

開催時間は10時〜16時。月曜休館。大人300円。問い合わせは0428(85)1109まで。(鋤柄)