400年以上前から続く青梅だるま市が通常開催

毎年10月頃からだるまを作り始めると話す藤野さん
毎年10月頃からだるまを作り始めると話す藤野さん

 新春恒例の「青梅だるま市」が12日、住江町交差点から市民会館交差点までの旧青梅街道沿いで開かれた。だるまを買い求める人や、久しぶりの催しを喜ぶ2万3000人近い客でにぎわった。

 新型コロナの影響が懸念される中、だるまを販売する38店を含む180近い露店が出店。各店に消毒液を設置するなどの感染対策を講じた上で開催。住吉神社(同市住江町)では古いだるまや御礼のおたき上げが行われた。

 昨年は新型コロナの影響で規模を大幅に縮小。だるま販売のみが行われた。主催の青梅だるま市保存会の田辺晃会長(66)は「2年ぶりににぎわいのある市が開催できて良かった。祭りができない中で、露店商の皆さんも大変だったと思う。開催を決断し、多くの人に喜んでいただけて良かった」と話した。

 同市で唯一、だるまを製造販売する「達磨屋 藤野」(同市梅郷)の藤野智幸さんは「昨年は天気も悪く、規模を縮小したこともあり、客が少なかった。今年は多くの人が遊びにきてくれた。毎年、うちのだるまを買っていただける方もいてありがたい」と例年通りのにぎわいを喜んだ。

 青梅だるま市は、400年以上前の六斎市が始まり。織物の町として栄え、2と7の付く日に織物を主とした物々交換の市だった。年初めの1月12日の市は、産業の中心であった養蚕の繁栄を祈って米粉を繭の形にした団子をツゲの木に連ねた「まゆ玉」が売られていたという。養蚕産業の衰退とともに「まゆ玉」は姿を消したが、縁起物として売られていた「だるま」と露店が残り、毎年12日に青梅だるま市として受け継がれている。(鋤柄)