あきる野市 二宮神社の筒粥神事 世相は10「好転の兆し」

粥が炊き上がるのを待つ洋さん
粥が炊き上がるのを待つ洋さん

 今年1年の世相と農作物の作況を占う小正月の伝統行事「筒粥神事」が15日朝、あきる野市の二宮神社で行われた。昨年他界した河野清亮宮司に代わって神社を守ることになった長男で禰宜の洋さん(53)が執り行う初めての筒粥神事。茄子、もろこしなど15品目で豊作を示す「10」が出た一方、ごま、大こんは不作の「1」だった。「世の中(世相)」は10で、希望の持てる結果となった。

 長さ10㌢ほどに切りそろえた篠竹32本を束ね、3合の米とともに釜で炊く。粥ができたら竹を取り出して縦に割り、中に入った米の量から作柄を予測する。占い項目は31の作物と世相を合わせ32ある。

粥を炊くのと同じ火で6時30分からどんど焼きを行うがの恒例
粥を炊くのと同じ火で6時30分からどんど焼きを行うがの恒例

 6時に神事が始まり、占い結果を読み終えると、粥は氏子らに振る舞われた。無病息災のご利益があるという。

 洋さんは「神事の段取りは以前から父の横で見てきたが、結果を読むのはやはり難しかった」と戸惑いながらも「世の中が10というのは良かった。コロナで大変な時期が続いているが、好転の兆しを示す結果となった」と話した。

 父親の代から毎年、占いの結果を作付け計画の参考にしているという農家の村野圭一さん(79)は「茄子10」「うり2」「おか田1」の結果に注目。「今年は全般的に天候不順な年になるのでは」と予想する。「日照りを好む茄子の出来がよく、照りすぎると枯れるうりやおか田(陸稲)の出来が極端に悪いのは、夏場に雨が少ないということ。前年のように照ったり降ったりが激しい年になりそう」と、天候には注意が必要だと説いた。(伊藤)