ろう者のアロマセラピスト 青梅市の原島美紀さん 手話と筆談でカウンセリング 28日にもイベント

12月中旬にココスムで開かれたアロマワークショップの様子
12月中旬にココスムで開かれたアロマワークショップの様子

 青梅市河辺町でアロマリラクゼーションサロン「おうちサロン ゆず」を営む原島美紀さん(52)は、全国でも数少ないろう者のセラピスト。手話と筆談でカウンセリングし、客の体調に合わせ調合したアロマオイルを用いたマッサージで心身の状態を整える。アロマのウィルス予防スプレー、ハンドクリーム、ソープ、キャンドル作りなどのワークショップも開いている。

 生まれつき耳が聞こえないという原島さんがアロマに出合ったのは20年ほど前。友人のアロマインストラクターから教わり、趣味でアロマの虫除けスプレーやクリーム作りを始めたという。

 7年前に次女が激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感が重なる症状のメニエール病を発症。アロマセラピーで症状を柔らげることができないかと考え、本格的に学べるスクールを探した。

 ろう者の受講は難しいと入学を断られたこともあったが、新宿区のスクールが受け入れてくれた。講師が、納得のいくまで筆談で質問に答えてくれ、資格を取得することができた。学んだことを活かし、娘にセラピーを施術すると病状が改善したという。

 リラクゼーションサロンは多くあるが、ろう者が筆談で体調や希望をセラピストに細かく伝えることは難しい。施術中の細かいリクエストにも、同じ立場だからこそ応えることができるのではないかと考えるようになった。スクールの講師や家族から背中を押され、5年前に自宅で完全予約制のサロンを開業した。

 現在はサロンでの施術だけでなく、聴覚障害者協会などから依頼を受け、出張で講習会も開いている。「ろう者もセラピストになれ、人を癒やすことができることを伝えたい。手話の普及も含め、障害の有無に関わらず誰もがセラピーを楽しめるよう活動を続けていきたい」と語った。

 住宅ショールーム「ココスム」(羽村市小作台)で28日に開かれるHeart  Leiマルシェに出店。花粉予防ロールオンやハンドクリーム作りのワークショップを開く。誰でも参加可。開催時間は10時30分〜16時。イベントの問い合わせや、サロンの予約はLINEで。