日の出町 運送会社「天星」が1周年 ペット輸送など主力に女性にやさしい職場を

「地元密着でやっていきたい」という尾﨑社長(左から3人目)と従業員ら。遠方や大きなトラックでの運搬は男性ドライバーが担う
「地元密着でやっていきたい」という尾﨑社長(左から3人目)と従業員ら。遠方や大きなトラックでの運搬は男性ドライバーが担う

 日の出町平井の三吉野工業団地内にある運送会社「天星」(尾﨑奈美社長)は4月に開業1周年を迎えた。女性従業員を積極的に採用し、ドライバーの育成に努める会社だ。医療機関から出る廃棄物(感染性廃棄物)の運搬、ペット輸送、ドローン事業を経営の柱に置き、低価格競争に飲み込まれない運送業の形態を模索する。

 尾﨑社長(44)はドライバー歴24年。最盛期には自前のトレーラー(全長16㍍)で重量物を輸送し、女手一つで2人の子を育て上げた。シングルマザーとして自身が苦労した経験から、女性が働きやすい職場を作りたいと自ら会社を立ち上げた。

 現在、勤務する女性従業員は3人で、全員が子育て中の20代。運搬経験はなかったが、尾﨑社長が自ら指導し、普通免許で運転可能な小型貨物車を乗りこなせるように。1乗車ごとに乗務手当を付けるなど、短時間で効率よく収入が得られる仕組みを導入。今後も女性ドライバーを増やしていく計画。子どもの体調不良や保育園などからの呼び出しで急に仕事を休む必要が出た場合にも、尾﨑社長や別の従業員が業務を肩代わりし、「働く女性を全力で応援する」。

 タイヤなどの部品や燃料の値上がりで運送業には厳しい時代が続く。同社は小型貨物車による近隣の運搬を多く受注することで車の維持費、燃料費などの経費を抑え、競争相手の少ない分野に主力を注いで事業の継続を目指す。

 すでに一定の利用があるペット輸送は、オーナーから依頼されたペットを空港や指定の場所に迎えに行き、目的地まで届ける業務。女性ならではの気配りの行き届いた仕事ぶりが喜ばれている。ペット人気を背景に、今後さらに需要が高まるとみられる。

 感染性廃棄物の運搬、ドローン事業についても顧客の開拓に努めていくという。

 常温・冷蔵・冷凍いずれも対応可能な車両をそろえ、24時間稼働できる体制を整えている。突発的な配送、1日だけ、午前・午後のみの依頼にも対応する。問い合わせは042(588)4123まで。(伊藤)