「幸せの鐘」鳴らしに来て 日の出町 勝峰山山頂に設置
日の出町大久野の(標高454・4㍍)山頂にこのほど、「幸せの鐘」が設置された。山の環境整備に取り組む任意団体「勝峰山エリアプロジェクト」(富山秀一会長)が施工した。
鐘は2012年、当時の皇太子殿下が日の出山に登頂された記念として日の出山の会が製作。翌年4月の日の出山開きで山頂に設置、登山者の安全と幸せ祈願に打鐘された。ただ、当該地は国立公園特別保護区域にあたり常設ができないため、その後も山頂でのイベントのたびに担ぎ上げ、場の盛り上げに役立ててきた。
コロナ禍のイベント中止期間は、山の会創設者の越沼啓次さん宅に保管されていた。このたび「勝峰山エリアプロジェクト」が越沼さんの思いを引き継ぎ、日の出三山の一峰である勝峰山に設置する運びとなった。
鐘の脇に立てた看板には「幸せ、平和、希望の3つを願いながら3回鐘を鳴らしましょう」と解説があり、「皆様に幸せが訪れますように!」とのメッセージが添えられている。
18日には鐘周辺の木の伐採と草刈りを実施。大岳方面の眺望が楽しめるようになった。
勝峰山は、平将門伝説が残る山中に鈴石、血の池、鎧塚といった名所が点在する。林道終点駐車場から山頂まで約15分で歩ける手軽さが魅力だ。同プロジェクトでは山の景観整備に加え、石灰岩地質の特徴であるカルスト地帯に「カルストの小径」をつくるなど、埋もれた魅力を掘り起こし、光を当てる活動にも力を入れている。
同プロジェクトでは不足する活動資金を補うため、駐車場の休憩スペースに募金箱を設置。支援を呼び掛けている。(伊藤)