生涯10万点以上を描いた画家 あきる野出身・伊東秀幸さんの絵画作品 収蔵先を募集

「宇宙人シリーズ」作品の一部
「宇宙人シリーズ」作品の一部

 35歳の若さで急逝した画家、伊東秀幸さんの遺作展が12日まで、イオンモール日の出(日の出町平井)で開かれた。宇宙人をコミカルなタッチで描いた油画「宇宙人シリーズ」を中心に約30点が展示された。伊東さんの母校、東海大学菅生高校(あきる野市菅生)に100点以上の作品が残されており、収蔵先を募集している。

 伊東さんは同市草花出身。幼少期から絵を描くことが好きで、同校の美術部に所属した。高校時代は写実的な絵を多く描いていたという。当時から顧問を務める森田和昌教諭は「常に絵を描いていた姿が印象的な生徒だった」と振り返る。

 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業後は、家業のペンキ屋を継いだ。働きながら制作を続け、2016年には上野の森美術館(台東区)の「日本の自然を描く」展で最高賞「上野の森美術館賞」を受賞。2018年に病気で急逝した。

 独自の世界観でデフォルメや抽象画を多く描いたほか、アトリエにはドローイング等も含め10万点以上の絵が残されていたという。多くは処分されたが、100枚ほど森田さんが引き取り、同校で保管している。保存状態が良いとは言えないため、「保管、管理の環境が整っている美術館に収蔵してほしい」と考えている。

 森田さんは「少しでも多くの人に絵を見てもらうことが彼の供養になる。展示してくれる美術館があればありがたい」と話した。

 「宇宙人シリーズ」の画像データは左のQRコードから閲覧可。問い合わせはcow_km@yahoo.co.jp森田さんまで。(藤野)