日の出太陽の家が完成 地域に開かれた障害者施設に カフェ・多目的スペース併設

木造でも耐震基準をクリアできるように設置された大きな梁が特徴
木造でも耐震基準をクリアできるように設置された大きな梁が特徴

 社会福祉法人太陽福祉協会(中島真由美理事長)が日の出町平井に建設していた新しい障害者支援施設「日の出太陽の家」がこのほど完成。2月から利用者30人が同町大久野の旧施設から転居し、新しい生活を始める。

花咲きカフェの内装
花咲きカフェの内装

 生活棟には7・5畳の個室が37部屋あり、完全個室化を実現。また宿泊室も2部屋あり、施設に訪れる実習生や利用者の保護者等が宿泊できる。宿泊室は利用者の生活スペースが1階にあるのに対し2階にあり、感染症等の発生時に隔離部屋としても活用できるという。

 車椅子に座ったまま入浴できる「特殊浴槽」も男女1つずつ新設。重度の障害を持つ利用者も安心して湯に浸かれるようになった。

 福祉施設は耐震等の理由で鉄筋コンクリート構造を用いることが多いというが、この施設は木造にこだわり、家のような温かみのある空間を作った。

障害者施設を思わせない外観。施工は群馬県館林市の河本工業
障害者施設を思わせない外観。施工は群馬県館林市の河本工業

 新設したカフェスペース「花咲きカフェ」や多目的スペースで、利用者が制作する陶芸作品の展示、畑で育てる野菜の販売なども企画している。災害時には多目的スペースを開放し、障害があり避難所での生活が難しい人を受け入れたいという。

車椅子に座ったまま入浴できる特殊浴槽
車椅子に座ったまま入浴できる特殊浴槽

 同法人は1987年設立。一人ひとりが太陽のように輝き、生きることを願い「日の出太陽の家」と名付けられた。利用者の高齢化により生じた介護に旧施設が対応できなくなったことや老朽化に加え、土砂災害の危機回避等を理由に新たな土地での施設建設に至った。

 池田圭吾施設長は「利用者の方に安心して過ごしてもらえる施設になった。カフェ、多目的スペースの活用方法を考え、地域住民の方に気軽に足を運んでもらえる施設にしたい」と話した。(鋤柄)