日本で唯一のトレーラーバス 日の出町の「青春号」 惜しまれながら3月で運行終了
JR武蔵五日市駅〜つるつる温泉(日の出町大久野)間で運行され、地元住民や観光客に親しまれる機関車バス「青春号」が3月31日をもって運行を終了する。現在の青春号は2代目で、15年で約57万㌔を走行。経年で各所に不具合が生じ、修理等で運休することも多くなった。利用者の安全の確保、安定した運行が難しくなり終了することになった。
青春号は町が所有し、西東京バス(浜田丈夫社長)が運行する路線バスで、1日7便運行している。つるつる温泉開業の1996年、観光の目玉として導入。トラクターに客車をつないだ「トレーラーバス」と呼ばれるもの。西東京バスによると戦後は全国各地で見られたが、現在公道を走るのは「青春号」だけだという。
運転手は大型トレーラーやタンクローリーなどの運転に必要な「けん引免許」に乗客を乗せる「二種」を加えた「けん引二種」という特殊な免許を持つ。現在は6人の運転手が交代で運転している。
けん引車は機関車の形、乗客が乗る車両はSLの客車をイメージしている。運転士とは別に、客車には車掌が乗りマイクで行き先を案内する。鉄道気分が味わえると人気だった。
2005年には商工会青年部が日の出町合併50周年を記念し「青春号」チョロQを発売するなど、地域にも愛される存在だった。
町では運行終了にあたり、イベントを検討している。問い合わせは042(588)4101商工観光課まで。(鋤柄)