福生駅西口 山下酒店 創業70余年 地酒、日本ワインが豊富

「おいしい酒を届けたい」と山下社長
「おいしい酒を届けたい」と山下社長

 福生駅西口から徒歩6分、銀座通り沿いにある山下酒店では、地酒とワインに力を入れている。地元の嘉泉、多満自慢、澤乃井、埼玉県の帝松は各商品を取りそろえ、全国各地の隠れた銘柄も置く。店内奥のワインセラーでは日本ワインも豊富に扱っている。

 創業70年以上。祖父の久吉さんが昭和初期に奥多摩町小河内村から福生に出て開店。父の進さんが店を継いだ。三代目の山下社長(47)は建材会社に4年勤めた後、家業に入った。

 4年前に久吉さんが100歳、進さんが74歳で、立て続けに他界。その後は山下社長が弟の昌紀さん(44)と店を切り盛りする。直後にコロナ禍が始まり、「家飲み」が増えるなど、酒屋を取り巻く状況が大きく変わった。

店内の奥にはワインセラーもある
店内の奥にはワインセラーもある

 店は福生駅、牛浜駅のほぼ中間地点にある。久吉さんはよく「うちは駅から遠いから、店で待っていてはいけない。配達に力を入れなければ」と言っていた。創業者亡き後も兄弟でこれを守り、こまめに取引先を回った。いつもの配達に加え、少し上等な酒、新しい酒も紹介。飲食店の立場になり喜ばれる酒の拡販に努めてきた。

 得意先は個人の飲食店が多い。コロナの打撃は大きかったが、ようやく小さな宴会が再開し、注文も増えてきた。店主催の利き酒会は休止しているが、地元に喜ばれる新たな企画を始めたいという。

 酒だけでなく関東一円で人気の「三代目茂蔵豆富」などつまみにも力を入れている。山下さんは「地域密着店として地酒を中心に、おいしい物、良い酒を紹介していきます」と話す。

 営業時間は10時〜20時。定休日はないが日曜は配達休み。問い合わせは042(551)0210。(山石)