奥多摩ドローン協会 ごみ持ち帰り、直火禁止呼びかけ 観光公害対策 ドローンで啓発

ドローンは目立つようオレンジにラッピング
ドローンは目立つようオレンジにラッピング

 奥多摩ドローン協会(榎戸雄一会長)は11日〜26日の週末、奥多摩町の委託事業として管理外河川におけるバーベキューごみの置き去り、騒音問題の抑制を目的に、ドローンを活用した監視および音声による注意喚起を行う実証実験を実施した。

 実験は西多摩建設事務所管理課河川管理担当者と飛行ルート等を相談し、昭和橋下(氷川)と寸庭橋下(棚沢)の河川で昼と夕方の2回実施。同協会に所属する操縦士が橋からスピーカー付きドローンを飛ばし、上空から日本語と英語でゴミの持ち帰り、不法投棄、直火禁止などを20分程度呼びかけた。

 また会員らが河川敷で、観光客に音声の明瞭さ、ドローンの監視効果などを聞き取り調査。ベトナムをはじめとする東南アジアからの客が多く、より多言語に対応する必要があること、上空10㍍ほどの高さであれば音声が聞き取れることなどが分かった。また、監視により、ごみの置き去り、直火の抑制などについては一定の効果が得られたという。

榎戸会長(左)と定元博幸事務局長
榎戸会長(左)と定元博幸事務局長

 同協会は2021年1月に設立。町内外のドローン愛好家約100人が所属。川井スポーツコミュニティ施設(旧古里中学校)の校庭や体育館を主な活動拠点に技術の向上に励んでいる。

 榎戸会長は「今回飛ばしたドローンには赤外線センサーを搭載している。観光公害対策だけでなく、山岳遭難の行方不明者捜索にも活用できる。今後も町とさまざまな場面で連携を図っていければ」と話した。

 町の担当者は「協会にご協力いただき、実証実験で一定の成果があった。来年以降の事業化を検討したい」と期待を寄せた。(鋤柄)