青梅 武州工業のパイプ加工技術でゲーム開発  企業の技術力を世界へ

AQUA PIPE。ボードはタイル製

 「ゲームを通して日本企業の高い技術力を世界に発信したい」と話すのは、ボードゲームクリエーターの山本光夫さん(奥多摩町川井)。武州工業(青梅市末広町)のアルミパイプ加工技術を生かしたゲーム「AQUA PIPE」をこのほど開発した。
 「AQUA PIPE」は16マスのボード、3種の太さのパイプとU字型のパイプ2種の計14コマ(1プレイヤー)を使うゲーム。プレイヤーは交互にコマを並べ、同じ太さのパイプを縦か横、斜めに4マスそろえるか、3マスを4セットそろえることで勝利できる。単純なルールだが、同じマスに異なる太さのパイプを重ねたり、U字のパイプでコマを隠したりすることができ、難易度は高い。
 ゲームで加工技術を世界に届けるという山本さんの思いに、武州工業の林英夫相談役が共感。アルミパイプを左右対称のU字型に曲げる技術力の提供、サンプル制作などで協力した。青梅商工会議所の副会頭でもある林相談役は「面白い取り組みで、技術力の発信には有効。製造業を盛り上げる一つのきっかけとしても期待できる」と話す。

武州工業が加工したパイプを手にする山本さん
武州工業が加工したパイプを手にする山本さん

 山本さんは「日本にはたくさんの中小零細企業があり、小さいながらもそれぞれが独自の素材や加工技術を持っている。自社の価値を上げる一番の方法は、自社でしか作れない商品を開発し、国内外で販売すること」と話し、世界に大きなマーケットがあるボードゲームを共に開発する会社を募集している。
 山本さんはタイル商品の制作を手掛ける「ギフトボックス」の代表。仕事の傍ら30年ほど前からタイル素材のボードゲーム制作を開始。現在は年4作品ほどゲームを開発し、「Kickstarter」で販売している。
 価格は1万円(送料別)。9マスタイプは5000円(同)。購入や、ゲーム開発についての問い合わせはメール(info☆gift-box.co.jp)で。 ☆は@に変換   (鋤柄)