蕎麦処「榎戸」 青梅市裏宿 TOKYO―X肉せいろなど

蕎麦処「榎戸」(1)
榎戸御膳

青梅市裏宿の蕎麦処榎戸(榎戸明店主)では、今年の新そばはこれからだという。実は同店に限らず今年の新そばは全国的に遅れている。北海道から始まる新そば前線の南下が気象観測史上でも珍しい北海道や東北への台風上陸で大幅に遅れているからだ。「新そばは10月の中ごろ」と榎戸店主(65)。
味のよさで知られる同店。開業13年目を迎えた。榎戸店主は「あっという間だった」と振り返った。
店主の1日は開業時と少しも変わらない。朝5時に店へ入り、そばを打つ。打ち終わるころに開店。そばが無くなると店を閉める。遅い昼食を取ったあと、次の朝に打つ分だけ丁寧に粉を挽く。挽き終わるころには外はとっぷりと昏れている。そばは挽きたての粉がいちばん美味しいから挽き置きしない。
「仕込みはいつまで経っても満足しない。もう少しうまく挽けないか、篩を粗くしたり細かくしたり工夫の毎日」だという。
「今のお客さんはいろんなところで味比べをしてきてシビア。工夫を怠ればすぐ飽きられてしまう。そういうお客さんにも挑戦するつもりで打っている。『おいしかったよ』と言ってもらえるのがいちばんの励み。常に新人のつもりで頑張りたい」と笑った。
天せいろ(1470円)、榎戸御膳(1600円)、TOKYO―X肉せいろ(1400円)。11時30分~3時(売り切れ仕舞)。水・木曜定休。0428(21)0822。(吉田)