秋川渓谷のほとりで 社長の佐藤さん、田舎暮らし満喫 生き物のフィギュアを製作 ㈱いきもん あきる野市

カエル、キノコ、ペンギンなど300種に及ぶ生き物の精巧なフィギュアを製作するのが㈱いきもん(あきる野市小和田、佐藤純也社長)。川遊びや生き物の標本作りなど自然を好む社長の佐藤さん(45)は自然豊かなあきる野で私生活を満喫しながら商品アイデアを練る。
同社は2014年、「コップのフチ子さん」などで知られる都心のフィギュア製造会社から分社化し、秋川渓谷のほとりで事業を始めた。プレハブの事務所に入ると、棚には昆虫の標本や動物の骨、自然科学関連の図鑑や書籍がびっしり。このちょっと不思議な空間で佐藤さんの妻志麻さんと数人の女性スタッフがデザインなどの作業を行っている。
佐藤さんは近くの自宅で作業するか、ライフワークとなっている骨格標本を作るためイノシシやサメなど生き物の解体をしていることが多い。都心から田舎に拠点を移して良かったのは土地が広く、周囲に気兼ねなく解体作業ができることだという。
転居後すぐ自治会に加入し、地域の祭りなどにも積極的に参加しているおかげで地元に顔見知りが増え、猟友会の人が獲物を届けてくれることもある。シーズンには近くの川や海に出かけ、釣りや泳ぎを楽しむ。
こうした自然遊びが商品づくりに直接結びつくわけではないというが、自然を楽しむ佐藤さんの周りには生き物に詳しい人がおのずと集まってきてアイデアや刺激をくれる。間もなく発売される里山の生き物シリーズは山に詳しい友人に影響されて生まれた。地元からリクエストの多い川の生き物も近いうちに商品化してみたいという。
「もともと子どもたちが自然科学に興味を持つきっかけになればと作り始めたフィギュアです。もちろん大人も楽しめますが」と佐藤さん。残念ながら西多摩圏内に同社の商品を扱うガチャガチャはほとんど設置されていないが、ネット上の公式通販ショップが利用できる。(伊藤)