「八重菊」復刻 生酒いよいよ来月発売 100%あきる野産の米で日本酒
100%あきる野産の米で作った日本酒が来月発売される。完成を前に先月28日、米の生産者や販売に携わる地元商店会のメンバー、JAあきがわ職員ら約30人が醸造元の石川酒造(福生市)を訪ね、酒の発酵具合を確認した。
あきる野市小川地区には明治時代、西多摩の水田の約16%を占める田があり、江戸時代には同地区の森田醸造で酒造りが行われていたという記録が残る。今回のプロジェクトではこうした歴史的背景を踏まえ、地場産コシヒカリを使って同醸造の銘柄「八重菊」を復刻する。
八重菊は生酒と熟成酒の2種を販売予定。石川酒造の杜氏、前迫晃一さんによると「熟成にも耐えられて新酒でも美味しい酒にするため、2種の酵母を使い味と香りのいいとこどりをした」。ダブル酵母による仕込みは同酒造では初めての試みだが、いい具合に仕上がってきているという。
仕込みタンクから香りをかいだ生産者グループFR秋見の堀部晋代表(79)は「いい香りがした。自分は酒はあまり飲まないが、完成が楽しみ。酒造りが軌道にのれば米を作る側も力が入る」と話した。
「八重菊」生酒は来月、二宮商栄会(井上泰樹会長)が主催する発売記念イベントで初披露目となる。新酒のほか酒粕や酒まんじゅう、地元グルメの販売を予定する。新型コロナウイルスの感染状況を見極め日程を調整中で、決まり次第紙面で告知する。(伊藤)