公示地価 圏央道周辺 工業地は大きく上昇 住宅地 福生市除きマイナス
都は土地の公示地価(1月1日時点)を19日発表した。多摩地区26市と町で住宅地、商業地、工業地の用途別で調査が行われた。西多摩では全用途を見ると、福生市が0・7%、羽村市が0・6%、瑞穂町が0・5%と上昇したが、青梅市がマイナス1%、あきる野市が同0・3%で、島しょを除き、都内で2市だけマイナスになった。
公示地価は土地取引の目安にするため国土交通省が年1回公表している。都内では比較できる2569地点のうち、2223地点で価格が上昇した。引き続くマイナス金利で資金が不動産市場に流れ込んでいるほか、景気回復や訪日客の増加を背景にオフィスやホテル需要が堅調で、地価を押し上げているとみられる。ただ、今後は新型コロナウイルスの感染拡大で景気が悪化すれば反落が懸念される。
昨年に引き続き3大都市圏だけでなく、地方都市でも地価が上がる地点が増え、回復の裾野は広がっている。ただ、総じて二極化が進んでおり、将来性のある地点で上昇率が加速する一方、枠からはずれた地点は置き去りの傾向がある。
西多摩の住宅地では福生市が0・7%と上昇したが、青梅市がマイナス1・5%、あきる野市が同0・5%、羽村市が同0・1%、瑞穂町が同0・1%、日の出町が同0・6%でいずれも下降し、上昇していない。
多摩地区の商業地は、商業施設が集積する武蔵野市の7・3%の上昇を最高に、小金井市の5・7%、立川市の4・6%が続いた。
西多摩では、あきる野市は横ばいだったが、瑞穂町の1・7%を筆頭に羽村市が1・1%、福生市が0・7%、日の出町が0・5%、青梅市が0・1%と総じて上昇した。
西多摩の工業地では、羽村市が6・9%と大きく上昇。瑞穂町が5・9%、日の出町が3・9%、あきる野市が1・4%としっかり上昇した。圏央道の2つのインターチェンジが至近にあり、物流拠点としての活用などへの期待の高まりなどが考えられる。(岡村)