「アートで地域を創造する」 おくてん ディレクター 奥多摩 鋤柄大気さん
「『まちづくり』を考える作業は、アート作品を創造する作業に似ている。その意味では、町を創るのも一つのクリエイション」。
そう話すのは、奥多摩町小丹波のアーティスト、鋤柄大気さん(32)。「おくてん」のディレクターを担い3年目。おくてんが10年の節目を迎える今年、アート、教育など多角的な方法で「地域クリエイション」に取り組む。
愛知県出身。18歳で上京し、明星大学造形芸術学部(現デザイン学部)に入学しテキスタイルを学んだ。卒業後、青梅市内に住み同大学青梅校(同市長淵)で助手をしているとき、奥多摩町内の古民家をDIYでリフォームしアトリエを構え、2016年にはアトリエのそばに転居。縁あって翌年から、同町で2009年から続いて来たアートフェスティバル「おくてん」の全体の進行・管理を担うディレクターを務めることになった。
以降、「おくてん」を「町でのクリエイティブな活動の総称」と位置づけ、同フェス以外にもさまざまな活動を展開。18年には明星大学の学生約20人と一緒に「おくたま森の工作室」を開設した。そのオープニングイベントとして、「おくたま子ども大作戦」も実施。同工作室は現在、アーティストがさまざまなワークショップを開く場となっている。
今後は町立奥多摩中学校で「美術の授業を作る」という授業をプロデュースしたり、町立せせらぎの里美術館で公募展を開催したりと、活動は広がりつつある。多忙な日々のなか、「10年続けてきたおくてんの活動をより一層成熟したものにし、発信し続けていきたい。そのことが本当の地域クリエイションにつながる」と目を輝かせる。
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今号から新連載担当
今号から鋤柄さんの新連載「おくたま地域クリエイション」が始まりました。毎月第2週目に「おくてん」のディレクターとして、「地域を創造する」日々の活動を紹介していきます。お楽しみに。(佐々木)