あきる野市 空き家対策の計画示す 市内の空き家は446戸
あきる野市はこのほど、「同市空家等対策計画」を策定した。昨年3月にまとめた骨子に基づき、空き家対策に関する具体的施策を盛り込んだもの。市内の空き家の現状と課題を踏まえ、2023年度までに実施するとしている。
計画について市がまとめた冊子(A4判74㌻)によると、19年12月時点で市が把握している空き家の数は446戸。地区別では山間部の戸倉・小宮地区と、住宅数の多い東秋留地区で空き家率が高い。14年~19年の空き家に関する相談件数は158件で、全体の約65%を雑草や樹木の繁茂に関する相談が占めた。
昨年7月、空き家の所有者に対し郵送で行った意向調査では、377人中180人から回答を得た。所有者の半数は70代以上で、建物を使用しなくなった理由は「他に居住している住宅がある」が最多。次いで「住んでいた人が施設に入所又は入院した」だった。
現在、約8万の市の人口は2045年には約6万7000人に減少し、高齢化率は40%に近づくと推計される。一方、市民の持ち家率は76・6%、戸建て率は77・2%と、いずれも多摩26市で最も高い。現状、市の空き家率は全国平均を下回っているが、所有者の高齢化と建物の老朽化が進めば、放置される空き家が増える可能性がある。
市は、空き家は所有者の財産であり、所有者の責任で適切に管理すべきとしながらも、さまざまな事情を踏まえ行政や地域が主体となって対策を支援する必要性に言及。空き家にしないための啓蒙活動や空き家活用に向けた情報提供、所有者への相談窓口の整備などに取り組んでいくとしている。(伊藤)