フォレストパス森の会議 活動10年記念誌「人と自然との共生」発行 ホタル、ワサビ田復活

活動10年の記念誌と石田会長

奥多摩町などで森林の育成、保全を通し環境保護を進め、地域おこしに取り組むフォレストパス森の会議(石田芳英会長)が、活動10年の記念誌「人と自然との共生」を発行した。小池百合子都知事や師岡伸公町長が祝辞を寄せ、10年のあゆみを称えている。同会議は記念誌の発刊を持って、活動に一旦区切りをつけるという。

同会議の発足は2009年1月。公認会計士で石田林業代表の石田会長をはじめ森林ガイド、アニマルセラピスト、観光業者ら11人が参加。石田会長が所有する山を舞台にウッドチップを敷いた散策路の整備、ホタルの復活、ワサビ田の整備、どんぐりや広葉樹の森づくりになどに取り組んできた。CO2の削減、静物多様性の回復、観光振興などにつながる活動は地道だが、着実な歩みを進めてきた。

記念誌はA4判80㌻。活動の記録が多くの写真で紹介され、手を入れた森や沢が豊かな自然を保ったまま、人々を受け入れる場所に生まれ変わっていくことが手に取るように分かる。

祝辞で小池都知事は「森林に関わる取り組みは悠久の時の流れの中で着実に進められていく必要がある。フォレストパス森の会議の10年の取り組みの成果をさまざまな立場で活かし、継承してほしい」と活動を称え、師岡町長は「フォレストパス森の会議は町の財産である自然環境の保全、回復に多大な貢献をした」と敬意を表した。

石田会長は「記念誌は『森は地球に対しても人類に対してもなくてはならない』との思いで活動してきたフォレストパス森の会議の10年間の汗と涙の記録です」と話している。

500部発行。非売品。問い合わせは090(1546)1751まで。(岡村)