あきる野市瀬戸岡の住宅街でパン店 animo 毎週金曜だけ営業
あきる野市瀬戸岡の住宅街に、毎週金曜だけ営業するパン屋さんがある。店の名はanimo(アニモ)。開店から約1年、口コミだけで少しずつ店の認知度が高まってきている。
店を営むのは田中美奈子さん(58)と荒尾由美さん(54、同市草花)。2人は子どもが通った幼児園のママ友で、大のパン好き。子育て中も別々のパン店に勤務し、自宅でもパンを焼いていた。それぞれ子どもに手がかからなくなったことから、田中さんの自宅の一室を改装し、念願の店を開いた。
コンセプトは、自分たちが食べておいしいと思うパンを、楽しんで作ること。2人の焼く国産小麦とバター、牛乳を使ったパンは、しっとりしていて持ち重りがする。20数種類のパンが並ぶ陳列テーブルは実ににぎやかで、パンを焼く2人のウキウキ感が伝わってくるようだ。
「パンが焼きあがった時の幸せな気持ちは何物にも替えがたい」と荒尾さん。閉店後に欠かさず反省会を開き、焼いてみたいパンについて話し合うのも2人にとっては至福の時間だという。
開店する際、パン作りから接客まで、すべての作業を2人でこなせるだけの量で、続けていこうと決めた。迷った末、チラシやネットで店の情報を拡散することはせず、店に電話も置かないことにした。情報があふれる時代に口コミだけで客とつながる店は、逆に新鮮に映る。
店名のanimoはスペイン語で「がんばれ」「元気を出して」という意味。「2人の名前のアルファベットをなんとなく組み合わせたら、この単語と一致しました」と田中さん。足を運んでくれた人が元気になるような、そんな店をめざしている。営業日時は毎週金曜午前11時~午後5時半。夏期休業あり。(伊藤)