あきる野市養沢センターに10割手打ちそばの店オープン 2種類の味を食べ比べ

風味がよく、コシがあるそば

本格的な10割手打ちそばを味わえる店「六花」が6日、あきる野市の養沢センター売店跡にオープンした。そば職人の森弘明さん(54、中野区)が、産地の違う2種類のそばを提供する。

森さんはブルース、ロックのミュージシャン。音楽で食べて行こうとバンドやソロの弾き語りをしていたが、30歳で体を壊し、調理の職に転身した。和食料理店などで働きながら、料理の中でも特に好きだったそばを究めるため独自に石臼を購入。各地のソバを取り寄せては打ち、研究した。次第に腕が買われるようになり、飲食店に招かれてそばを打ったり、アドバイスを請われたりするようになった。

長く抱いてきた自店を持つ夢は、そば仲間が好物件を紹介してくれたことで実現した。

森さんが作るのは細くしなやかなそばと、そのそばに適した味に深みのあるつゆ。ソバは香りの良い福井産と旨味の強い会津産の2種類。つゆには鰹節、昆布、椎茸のだしと、あきる野産のキッコーゴ醤油、きび砂糖で作ったかえしを使う。砂糖を控え、椎茸の甘みを生かしたつゆが、そばの味を引き立てる。お得な「そばくらべ二枚」(1000円)で両方のそばを味わうのがおすすめだ。単品700円。

「私のそばはおいしいんです」と店主の森さん

店名の「六花」は、京都で世話になったそば店が「六」の付く名前だったことと、自身の前職であるロッカーから取った。晴れて一国一城の主となった森さんは「山に囲まれた、環境のいい場所に店を開くことができた。この場所でたくさんの人に私のそばを食べてほしい」と話す。

当面は土日のみの営業。時間は11時30分〜15時30分(売り切れ仕舞い)。一人で店を切り盛りしているのと電波状態が悪いため、問い合わせ電話には対応していない。(伊藤)