あきる野市の中村さん 改元特別企画『増戸物語』を刊行 原画展示 中村美術館を開館
あきる野市伊奈の中村清作さん(70)は、改元特別企画と題して冊子『絵と写真で見る昔と今 増戸物語』を刊行した。A4判98㌻、全カラーの豪華版。明治から平成にかけて、増戸地区の変遷がよくわかる内容になっている。
中村さんは増戸地区内の伊奈の出身。1987年、地域の人への取材をもとに100号のキャンバスに昭和20年頃の伊奈の街並みを描いた。この絵をきっかけに翌年、絵本『伊奈物語』を出版。地域の生活史に関心を持つようになった。
2006年、増戸の歴史に興味のある人が集う「増戸を知る会」に入会。仲間と昔の写真を集める中で、地域の人を取材し、テーマ別に冊子をまとめる活動を本格的に始めた。水、電気、祭りなどをテーマにこれまで15冊を刊行した。
今回の『増戸物語』は、「これまでの総集編」との位置づけ。古い街並みや生活の様子など写真のないものはわずかな資料から絵をおこし、写真と絵をふんだんに盛り込んだ。
中村さんは「平成の時代が4月30日で終わり、5月1日からは令和になる。私自身もちょうど古希を迎えた。その区切りとして30年前から書き(描き)続けてきた記録を総集編にまとめた」と冊子作成の動機を語る。
刊行に合わせ、冊子に用いた原画が見られる「中村美術館」を自身が営んでいた「フォト中村」内に開館。予約制で見学者を受け入れている。
冊子は希望者に有料で提供する。問い合わせ、美術館の見学予約は090(6310)4117中村さんまで。(伊藤)