選挙ビラ、内容に課題 「投票に役立つ」わずか26% 早大など有権者調査

 全国の超党派の地方議員らでつくるローカル・マニフェスト推進連盟と早稲田大マニフェスト研究所は9日、統一地方選を前に、選挙用ビラやマニフェストに対する有権者の意識調査結果を公表した。有権者は候補者の政策や実現の方法を知りたいのに対し選挙ビラ等には十分書かれておらず、そのためにビラが投票に役立つと感じる人が少ない現状が浮き彫りになった。

 調査は2月10日〜14日、18歳以上の男女を対象にインターネットで実施し、1332人から回答を得た。

 選挙ビラは国政選挙や自治体の首長選では以前から配布できたが、公職選挙法の改正により都道府県・市区議選では2019年の統一地方選で、町村議選でも20年12月に解禁された。

 調査では、マニフェストに必要な内容として「政策」「実現の方法」「将来ビジョン」が上位3項目を占めた。

 「地縁・血縁や知名度、選挙資金などが勝敗を決める選挙より、選挙用ビラなどに書かれた政策の善し悪しで当落が決まる方が望ましいか」との質問では、「強くそう思う」「少しそう思う」が計55%。一方、「選挙用ビラに知りたい情報が書かれているか」との問いでは、「強くそう思う」「少しそう思う」は計25・7%にとどまった。「選挙用ビラは投票に役立ったか」との問いでは、「強くそう思う」「少しそう思う」の合計はわずか26・9%だった。

 ローカル・マニフェスト推進連盟共同代表の子籠敏人あきる野市議は「昨年市議会が解散したため2019年の解禁以降2回、ビラを経験している。肌感覚として選挙用ビラには一定の効果があると感じたが、調査結果から伝え方や内容にさまざまな課題が見えた。次に生かしていきたい」と述べた。(伊藤)