あきる野産ブドウで赤ワイン 「東京ルージュ2018」初出荷

あきる野ワイン 100%あきる野産のブドウを使い、市内の醸造所で仕込んだワインが完成した。その名も「東京ルージュ2018」。あきる野の新たな特産品として、また2020東京五輪に向けメードイン東京ブランドとして注目を集めそうだ。  (伊藤)

 

「東京ルージュ2018」=写真中央=は、同市上ノ台の畑で栽培したヤマソービニオン種を同市下代継の醸造所で仕込み、フレンチオーク新樽とステンレス樽で熟成後にブレンドした赤ワイン。艶やかな質感の上品な味わいに仕上がった。初年度の今年は限定1000本を販売する。
ワインを造ったのは㈱ヴィンヤード多摩(同市下代継、森谷尊文社長)。2013年から青梅市梅郷でブドウの試験栽培を始め、15年に起業。認定農業者となり、あきる野市上ノ台でかつてブドウを作っていた遊休農地30㌃を借り、新たに苗を植えて栽培を本格化させた。
これまでに委託醸造で4作を試作。昨年10月に醸造免許を取得し、自社醸造にこぎつけた。
森谷社長(67)は羽村市で森谷歯科医院を営む現役の歯科医師。ワイン造りは、ワイン好きの医療従事者が集う席で出た夢のような話だ。「『自分たちのワインを造りたいね』という話から、『じゃあやってみようか』と。まさかほんとにできるとは・・・我ながらびっくりしています」と話す。
事業化できた大きな要因に医療従事者だけでなく様々な人材との出会いがある。農場長の笹原千恵さん(35、あきる野市)もその一人。大学で環境学を学び、3年のドイツ留学を経てワインの輸入業者に勤務した経験を持つ。笹原さんが栽培と営業を担当する。
栽培4年目の今年は自社畑を40㌃拡大して70㌃とし、ワインは増産の見込み。森谷社長は、将来的には自社畑を2㌶まで増やし、周辺農家からブドウの買い取りができるような仕組みも考えていきたいという。「美味しいワインを造って地域を活性化し、雇用などの面でも貢献できたら」と夢を広げている。
ワインは同社が羽村市緑ヶ丘で営業するショップとパスポート(あきる野市)、宏川屋(青梅市)、瀬古本店(福生市)で5月ごろ発売予定。なるべく求めやすい価格を検討中だ。ワインショップの営業時間は午後1時~6時。火曜定休。ショップでは栃木県産と長野県産のブドウで自社醸造したワインも扱っている。問い合わせは042(533)6442まで。