中曽根康弘元総理の別荘 ロン・ヤス会談の地日の出山荘 6日まで無料開放、13日まで献花台

日の出山荘
献花台に花を捧げる幸神堂の沼田真一郎社長(奥)と伊代子さん

中曽根康弘元総理大臣が先月29日に逝去し、元総理の別荘で1983年にロナルド・レーガン元米大統領と首脳会談(ロン・ヤス会談)を開いた「日の出山荘」(日の出町大久野)の来場者が急増している。町は6日まで山荘を無料開放、13日まで献花台と記帳台を設置する。
町の臨時職員として山荘を管理する原清さん(80)、ヨネ子さん(77)夫妻は29日昼、テレビで訃報を知った。夫妻は2006年に山荘が町に寄贈される以前から管理を任されており、元総理との付き合いは50年近い。
清さんは「山荘で毎日、若い頃の先生の写真を見て、『我々も頑張らなきゃ』と思いながら仕事をしていた。(訃報を受け)ガッカリしてなんとも言いようがない」、ヨネ子さんは「先生は私のような単なる主婦にも外国へ行った時の話や、いろんな話をしてくださった。穏やかで優しい方だった。突然のことで言葉もないが、感謝の気持ちでいっぱい」と悔やんだ。
30日には、山荘にちなんだ「山荘最中」「ロン・ヤス饅頭」を製造・販売する和菓子店「幸神堂」(同町大久野)の沼田真一郎社長(58)と母伊代子さん(84)が弔問した。
2つの菓子は先代の芳雄さん(故人)と伊代子さんがロン・ヤス会談を記念し売り出したもの。今でも手土産などによく使われるという。伊代子さんは「先生のおかげで商売を続けてこられた。お悔やみに来られてほっとした」と話し、献花台に花を供えた。 (伊藤)