御当番に8人が名乗り 檜原村の御とう神事

「神事の3日前から四足のものを食べてはいけない」など参加の決まりごとを聞く御当番ら

 来月1日の御とう(おとう)神事を前に、「御当番」と呼ばれる参加者が正式に参加を誓うトコロ渡しの儀式が15日、檜原村の春日神社社務所であった。今年は8人が御当番に名乗りを上げた。
 御とう神事は毎年3月1日深夜から2日早朝にかけて行われる。御当番がふんどし一丁で秋川に入り身を清め、火打ち石で火を熾して米を炊き、五穀豊穣を祈願して神前に供える。神社に伝わる「御とう帳」に元亀3(1572)年以来の記載が残る、歴史ある神事だ。
 本来は本宿、上元郷の氏子が御当番を務めるものだが、氏子の高齢化や神事の過酷さなどの理由から御当番のなり手は毎年潤沢というわけではない。同神社では近隣からも志願者を受け入れることで神事を存続させてきた。
 今年の御当番のうち高取良昌さん(52、八王子市)は、神前に供えるご飯を茶碗に盛る「飯盛り役」の高取藤太郎さんの親戚。一昨年7月、自身のルーツを探ろうと家系図をたどって藤太郎さんを訪ね、その縁で神事に参加することになった。参加は昨年から2回目。
 昭島市の寺門拓海さん(24)は氏子の山口和彦さん(54)の娘婿。昨年11月に山口さんの長女の千智さんと結婚。「人生の節目に」と誘われ義父とともに参加を決めた。(伊藤)