新規就農者を応援 檜原村が農業経営の基本構想策定 遊休農地活用、担い手不足解消へ

 檜原村は産業活性化、景観保持などの面から新規就農者を応援する構想を作った。村の地域特性に合った農業経営の指標や村が目指す農業の将来像を示し、新規就農者の受け入れ、支援に積極的に取り組んでいく姿勢を示すもの。これにより遊休農地の活用、担い手不足の解消を図る。(伊藤)

 1日に施行された「農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想」によれば、村の耕地面積は2015年2月末時点で27㌶、農家数は161戸。このうち販売農家は6戸で、残りは自家消費用の作物を栽培する自給農家。農地の多くは傾斜地で小規模に分散しており、耕作者の高齢化や獣害などにより遊休農地は増えている。
 構想では農地の活用が農産物の生産だけでなく村の景観づくりや緑地保全にも重要な役割を果たすとし、村の魅力を高めるためにも農業の担い手を支援していくとしている。
 農業経営の指標としてジャガイモを中心とした露地野菜経営、キノコ類の市場出荷を中心とした経営など5つの営農モデルを提示。年間農業所得300万円程度の新規就農者を年間1人育成していくとの目標を定めた。
 構想の策定にあたり村は2018年6月に農林業従事者、JAあきがわ職員、不動産関係者など15人を委員とする村遊休農地等対策推進委員会(鈴木留次郎委員長)を設置。村の実情に即した有意義な内容になるよう協議を重ねてきた。
 今後は構想に基づき農家志望の移住者などを新規就農者に認定し、国・東京都の補助や融資を受けられるよう支援する。一方で来年度に地理情報システムを使った農地データを作成。農地利用の現状把握と遊休農地解消に役立てる。
 構想策定の事務局を務めた村産業環境課の森田那帆さんは「農業が活発になり、遊休農地が減って村が元気になればとの思いで関わった」と話した。