ひのはら地球の学校  自分たちで創造する 自然の遊び場

イベントの開催風景。「檜原の自然の豊かさを知ってもらうきっかけになればうれしい」と話す渡部さん

自然体験から自律して生きることを学ぶ探求学習プログラム「ひのはら地球の学校」が教育旅行業OSOTO(立川市錦町、渡部由佳代表)の運営で昨年11月に始まった。檜原村の山を開拓し、自分たちの遊び場と多様性のある森をつくろうと、地元で活躍する林業のプロを講師に迎え、多彩なワークショップを開催していく。

代表で講師の渡部さん(37)は、個性の尊重、自律のための主体性、共生のための協調性を学ぶオランダの教育などをプログラムに取り入れる。

参加者が作った道。木を伐り、石をのけ、足で固めた

最初の教室では「道づくり」をテーマに全5回の活動を実施。世田谷、府中、埼玉などから15家族が参加し、同村の林業会社東京チェンソーズの指導でけもの道を整備した。

2月以降は新型コロナの影響で活動を中断していたが、7月から再開予定。今後は川遊び、基地や水路、舞台作りなど参加者の要望を聞きながら活動内容を決めていくという。

渡部さんは福生市熊川在住。出身は千葉県で、海も山も楽しむ大のアウトドア好きだ。カメラマンだった祖父の影響で自身もカメラを持つように。長女の出産を機に、いろんな親子の姿を写真に収めたいと、自然の中で撮影するスタジオOSOTOを2018年に設立。都心の客と関わる中で、自然の中での遊び方を知らない家族が多く、現代人が自然から遠のいていることを感じた。本物の自然に触れる場所を提供したいとの思いから、キャンプなどで訪れていた檜原村を拠点に事業をスタートさせた。

渡部さんは「家庭の事情で大学進学を断念し、なかなか立ち直れなかった時期に始めた波乗りで自分の悩みの小ささを知った。ありのままを受け入れてくれる場所が自然の中にあると確信した。未来を担う子どもたちに本物の自然の厳しさと優しさを体験できる場を提供し、辛いときに訪れて癒やされる場所と仲間を作ってほしい」と話す。問い合わせはinfo★osoto.co.jpまで。(木住野)

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