コロナ禍で西多摩のロケ増 問い合わせも殺到
コロナ禍の影響はこんなところにも―。都民の都外への移動が制限される中、テレビや映画などの撮影地に西多摩を選ぶ都内制作会社が増えている。撮影場所の斡旋や撮影支援を行う各自治体のフィルムコミッション担当部署、団体に問い合わせが殺到している。(伊藤)
青梅市でロケーションサービス事業を行う同市観光協会には6月1日〜8月17日の2カ月半に63件(実施16件)の問い合わせがあった。これは昨年度1年間の実績の約3割に上る数字。「緊急事態宣言解除後は連日、メールも電話もひっきりなし」と担当者は悲鳴を上げる。
問い合わせ元は都心の業者が主で、「新型コロナで都外に撮影に出られないため、『都内でどこかいい場所はないか』といった感じで電話してくるパターンが多い」という。
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市役所内に担当部署を設け、フィルムコミッション事業に力を入れるあきる野市にも6月以降、特に7、8月は「電話のない日がないくらい問い合わせが来ている」。同事業に7年間、携わる職員は「今までで一番忙しい」という。4月1日〜8月17日の問い合わせ件数は92件。4件に1件の割合で実際に撮影が行われた。
同市では担当課の職員が撮影した市内景勝地などの動画の無料提供も行っており、貸し出しに関する問い合わせも増えている。特に水中動画やドローン空撮動画など撮影に手間のかかる映像に引き合いがあるという。
このほかフィルムコミッション事業に取り組む福生市、羽村市、日の出町でも同様の傾向がみられる。
奥多摩町や檜原村は専用の窓口を設けていないが、両町村で撮影した旅番組やバラエティー番組などがこの数カ月、頻繁に放映されている。この夏、奥多摩、檜原が混雑したのは、テレビの影響も大きいようだ。