「もーどなかむら」の思い出深い雛飾り

「第5回秋川渓谷雛めぐり」(五日市活性化戦略委員会主催)が、あきる野市の五日市・増戸地区の事業所で3月7日まで行われている。緊急事態宣言の延長を受け恒例のスタンプラリーと箏の演奏は中止だが、見学は自由。各商店で雛飾りのいわれを聞いてみるのも面白い。

五日市の「もーどなかむら」のショーウィンドーには、小さな雛人形が飾られている。店主の木滑恭子さんら4姉妹に、63年前に贈られたものだという。

木滑さんによると、当時小学1年生だった姉に「お雛様」を描く宿題が出たが、自宅に雛人形がなかったため「宿題ができない」と姉。不憫に感じた母が父にかけあい、父が買ってくれたのが展示してある雛人形。母は「4人も娘がいるんだから、7段飾りを買ってあげたかった」と言ったが、4姉妹は大喜びだったそうだ。

苦難が去ると言われる9匹の猿

同店には南天の木にまたがる9匹の猿の赤ちゃんの人形(さるぼぼ)も飾られている。「難(南)を転(天)じて苦難が去る(9匹の猿)」を意味する縁起物。「人形をご覧になった皆さまにもご利益がありますように」と木滑さんは話している。

雛めぐりの参加店は市のサイトで見られる。(伊藤)