奥多摩町 桐を通して東京の森を体験 ワークショップKiripro 16日から全5回

kiripro2021のパンフレットを手に持つ丸谷さん

奥多摩町で「桐を暮らしにプロジェクト」を主宰する建築家の丸谷晴道さん(39、同町海沢)が同町「まちづくり推進事業助成金支援事業」で「kiripro」を18日から開催する。昨年に続き2回目。9月から3月まで全5回のプログラムを実施する。昨年は、キリ材で下駄や羽子板などの物づくりを中心としていたが、今年は「奥多摩の暮らし考える」をテーマに、さまざまな角度から山や木と触れ、暮らしについて考えていく。

18日の第1回は、カヌースクールグラビティ(青梅市柚木)の代表、後藤めぐみさんを講師に迎える。「川と暮らす」と題し、白丸湖でカヌー体験。山と川の関わりについて考える。10月31日開催の2回目は、青梅市成木で自伐林業を営む中島林業の山で木の伐採などを体験し、講師の中島大輔さんから林業の話を聞く。

3回目以降も、講師を迎え炭焼き体験、箸作り体験を通して山の暮らしに触れる。キリの苗木を町内2カ所で植林するプログラムも予定。最終回は「古民家で拠点づくり」をテーマに空き家の清掃や簡易的な改修をし、フィナーレを飾る芸術祭を開催する。

「Kiriproを通し、子どもたちに山に関心を持ってもらいたい。森林問題に目を向けてくれればうれしい」と話す。

キリは15年~25年で成木となる。成長の早いキリは、たんすなどの家具だけでなく建材としても活用でき、奥多摩の新しい産業となる可能性を持つ。

丸谷さんは「キリが奥多摩の魅力を発信する一つのきっかけになればいい。奥多摩の産物をキリ箱に入れて贈るなど、他の地域の人に魅力を届けるツールにもなるのではないか」と語った。

参加条件は都内在住の小学生以上。(鋤柄)