奥多摩町、JR東日本都市開発、VERTEREが共同で新醸造所完成 生産量4倍に 観光客誘致、雇用や税収増に期待

ずらりと並ぶタンク。年間40万㍑生産できる
ずらりと並ぶタンク。年間40万㍑生産できる

 クラフトビールを製造販売する合同会社VERTERE(鈴木光代表社員)の新醸造所がこのほど、奥多摩町氷川に完成し、今月中旬から醸造を開始する。新醸造所は木造平屋建て(一部2階)で延べ床面積約570平方㍍。これまで毎週約4000本の缶ビールを出荷してきたが、新醸造所では約4倍の生産量が見込まれる。

 新醸造所プロジェクトは同社と奥多摩町、JR東日本都市開発の共同で実施。町が奥多摩病院付近(氷川)の町有地を貸し、JR東日本都市開発が工場を建設。バテレが醸造に必要な設備を整えた。生産規模拡大を図るだけでなく、4月にオープン予定の醸造所併設ボトルショップ、工場見学などで観光客誘致、雇用や税収の創出も期待される。

醸造所の外観
醸造所の外観

 バテレは2014年に設立。製造のほか、ボトルショップでの缶ビールやオリジナルグッズの販売、生ビールを提供するビアカフェ等を経営している。これまで200種類以上のクラフトビールを製造し、全国47都道府県やアジアを中心とした5カ国へ出荷。町のふるさと納税では返礼品の7割を同社のクラフトビールが占めている。

 鈴木代表、辻野木景醸造長は「奥多摩町、JR東日本と連携し、地域に根ざした事業モデルを構築していきたい。クラフトビールを通して観光客の満足度を高め、町の経済発展につながるよう頑張っていきたい」としている。 (鋤柄)