玉堂美術館で10月3日まで 玉堂画と水墨画家11人の共演 秋の玉堂画と日美展

中村さんの「花七日」(右)と中田さんの「よろこび」(中央)

「秋の玉堂画と日美展」が玉堂美術館(青梅市御岳、小澤芳郎主事)で10月3日まで開催されている。第1展示室では、玉堂の初公開作品「山村秋霽」(1910年)をはじめ、秋の風景画を、第2展示室では全国公募「日美展」の水墨画部門で上位入賞した11人の作品を展示している。

11作品の作風やモチーフはさまざま。玉堂美術館賞を受賞した中村智恵子さん(福岡県)の「花七日」はわずかな間に散りゆく艶やかな桜の美しさを、玉堂を思わせる画面構成で描いている。

東京都知事賞を受賞した中田佳子さん(埼玉県)の「よころび」は、老人の顔に深く刻まれたしわから、人生の深みや、生きる喜びを感じることができる。布に墨を染み込ませ紙に押し付けることで荒れた皮膚を表現するなど、画方にも工夫が見られる。

日美展は、軽井沢千住博美術館を運営する公益財団法人国際文化カレッジが主催。絵画部門と水墨画部門があり、全国からプロアマ問わず参加できる公募展で、今年で4回目となる。応募作品は、審査後、国立新美術館(港区)で飾られ、水墨画部門のみ玉堂美術館で巡回選抜展が開催される。

玉堂は多い時で、300人の弟子を持ったと言われており、若者の育成に力を入れていた。同館は、玉堂の意思を継ぎ、公募展に協力したいと作品を受け入れている。
小澤主事は「当初は『玉堂の絵を見に来たのに違う作品が展示されている』とお客様からお叱りを受けるかと思っておりましたが、現代に生きる作家たちの力強い作品も見られると好評をいただだいています。多くの方に玉堂画と合わせて楽しんでもらいたい」と話した。

開催時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。月曜定休。入館料は大人500円。問い合わせは0428(78)8335まで。(鋤柄)