スギ、ヒノキの大木ずらり 多摩木材センターで年一度の謝恩市

大木を前に緊張感が漂う市の様子

原木の競りを行う多摩木材センター(日の出町大久野)で25日、年に一度の謝恩市が開かれた。今回の目玉は直径60㌢を超すスギ、ヒノキの大木。めったに出回らない大木を求め、常連以外の買い付け人も集まりにぎわった。

同センターでは毎月10日と25日に原木市を行っている。謝恩市は10月8日の「木の日」にちなみ、毎年10月に開催する。今回のように目の詰まった太い木が並ぶのは非常に珍しく、市が始まって以来初めてではないかという声が関係者から聞かれた。ざっと年輪を数えたところ、樹齢は200年ほどと見受けられた。

あきる野市内の山で伐採された木。目の詰まった良い材が多く集まった

この日、最高値が付いたのは直径62㌢、長さ6㍍のヒノキ。競りは1立方㍍当たり25万円から始まり、40万円で決着した。丸太1本の値は95万2400円となった。

競り落とした三協木材(日の出町平井)の井上勝雄社長は「最低50万円までは上がると思っていたが、思いがけず良い値で手に入った」と笑顔を見せた。材は注文を受けている店舗のカウンターに使うという。

スギの大木でも普段の市では聞かない高値が続発した。競りの担当者は「買って損はない良い木が多かった。もう少し値が上がるともっと良かった」と話した。

この日の全体の取り扱い量は約550立方㍍とやや少なめ。普段は700~900立方㍍程度で推移しているという。(伊藤)