12年ぶり葺き替え 日の出山荘青雲堂の屋根

仕上げ作業をする職人ら。屋根葺きの技術を持つ職人が減り、茅葺を維持するのが難しい時代になった

日の出山荘青雲堂(日の出町大久野)の茅葺屋根の改修工事が月の約1カ月間行われ、12年ぶりに葺き替えられた。

日の出山荘は故中曽根康弘元総理の別荘で、1983年にロナルド・レーガン元米大統領と首脳会談(ロン・ヤス会談)を開いた場所。2006年に町に寄贈され、記念館として一般公開されている。

青雲堂は江戸後期に建てられた農家の母屋で、中曽根氏の所有時から定期的に屋根を葺き替え維持してきた。今回、町から改修工事を任されたのも、中曽根氏の時代から葺き替えを手掛けている宮城県石巻市の熊谷産業。自社の茅場から材料を持参し、傷んだ部分の茅を差し替え屋根を蘇らせた。

町の臨時職員として山荘を管理する原清さん(82)は「22歳の時からお世話させてもらっているが、屋根がきれいになるとやっぱり気持ちがいいね」と建物を見上げた。妻のヨネ子さん(79)は「雪の降った時など青雲堂の写真を撮って(中曽根)先生に送ると大変喜ばれた。そうしたやりとりがなくなったのが寂しい」と19年11月に死去した中曽根氏を偲んだ。

敷地内には青雲堂のほか首脳会談が行われた天心亭、書院がある。庭園の俳句碑や、たわわに実をつけたバナナの木も見所。

開館時間は10時~15時30分。月・火曜休館。入館料一般300円。問い合わせは042(597)7323まで。(伊藤)