日の出ヶ丘病院 高齢者を治して帰す地域包括ケア病棟開設

医療法人社団崎陽会が運営する日の出ヶ丘病院(日の出町大久野、坂井典子理事長)は10月、40床の地域包括ケア病棟を開設した。近隣28カ所の介護施設と連携し、高齢者の在宅復帰を支えていく。

地域包括ケア病棟とは、急性期治療を終えた直後に自宅や施設に移るのが難しい患者や、在宅・介護施設療養中に体調を崩して緊急入院した患者に対し、入院期間60日を限度として診療、看護、リハビリを行い在宅復帰を支援する病床のこと。普段は自宅や介護施設で生活し、具合が悪い時は入院してしっかり治療する「ときどき入院、ほぼ在宅」のイメージだ。

2025年には団塊の世代が75歳を迎え、超高齢化時代が到来する。地域的にみれば西多摩には全国平均の約2・5倍の介護施設があり、高齢者を幅広く支える医療のニーズは今後さらに高まることが予想される。

同法人は1968(昭和43)年、精神科病院として開設。「地域と共に生き、信頼される医療・介護の提供に努めます」の理念を掲げ、地域密着型の病院を目指している。2000年にはホスピス病棟を、19年には介護医療院(93床)を開設するなど時代と地域のニーズに合わせて変遷を遂げてきた。

今回の地域包括ケア病棟の開設にあたり原淳市事務長(46)は「必要な医療の形は時代とともに変わってくる。20年前に当時まだ少なかったホスピスを開設したように、今後は施設等で体調を崩した高齢者を治して帰すことで地域のお役に立ちたい」と法人理念を忘れず取り組んでいきたいと話した。(伊藤)