自作のサツマイモで干し芋 コロナ禍、加工品に挑戦 瑞穂町 井上祐輔さん

見た目も美しい干し芋を手にする井上さん
見た目も美しい干し芋を手にする井上さん

 瑞穂町の農家、井上祐輔さん(36)が、畑で栽培したサツマイモを使用した干し芋の製造をこのほど開始。地元スーパーや直売所、インターネットで販売していく。

 品種は干し芋に適した「べにはるか」を使用。こだわりは、しっかり甘さが感じられるようイモを十分に糖化させること。一定の温湿度で熟成させた後、蒸す1週間前に保管庫から出し、寒さに当てることでさらに甘みを増幅させる。機械乾燥のため、天日干しよりも柔らかく、見た目もきれいに仕上がるという。

 2012年に同町で新規就農。1㌶の畑で年間50品目ほどの野菜を栽培し、飲食店を中心に販路を広げてきた。コロナ禍で取引先の休業や時短営業が続いたことを受け、飲食店ニーズに合わせた少量多品目栽培から、スーパー出荷を見据えた同一品目の作付けに移行。現在10品目ほどに絞り栽培する中で、サツマイモの生産量を拡大した。

 20年に都の農家向けのコロナ対策支援事業を活用し、干し芋用の乾燥機や加工用の作業場、蒸し機などの設備を導入。以前から興味があったというサツマイモの6次産業化に取り組み始めた。

 井上さんは「加工品作りは大変だが、試行錯誤して商品を作る過程が面白い。販売が軌道に乗れば従業員を雇用し、地元の生産者からもサツマイモを仕入れて製造量を拡大していきたい」と意気込みを語った。

 販売は瑞穂町農畜産物直売所(同町箱根ケ崎)で21日〜。1パック120㌘(600円)。(鋤柄)

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