あきる野市二宮 玉泉寺 永井珈琲 研究熱心な住職が焙煎 毎月28日に豆販売

レストアした焙煎機2台(左が山海舎で使用したもの、右は宮崎市の焙煎店から譲られたもの)と亮俊住職
レストアした焙煎機2台(左が山海舎で使用したもの、右は宮崎市の焙煎店から譲られたもの)と亮俊住職

 天台宗玉泉寺(あきる野市二宮)の永井亮俊住職(29)は、昨年秋に廃業した福生市のコーヒー豆焙煎店から古い焙煎機を譲り受けたのを機に、自ら焙煎に着手。このほど「永井珈琲」の屋号でコーヒー豆のおすそ分け販売を始めた。

 譲り受けたのは福生市加美平にあった「山海舎」が40年間使用した直火式の焙煎機。永井家では先代の榮亮住職が同店のコーヒーを愛飲しており、亮俊さんも子ども時代から飲んでいた。そうした縁もあり、高齢となった店主に請われて店じまいを手伝った結果、廃棄されるはずの焙煎機が手に入った。

 機械いじりが大好きで凝り性の亮俊さん。引き取った焙煎機を細かい単位まで分解し、部品を取り換えたり磨いたりして蘇らせた。直せば使いたくなるのが機械好きの性。山海舎の店主が体得した技術をまとめた焙煎の手引き書を参考に豆を炒ると、薄皮が焦げ、いぶし臭が付くなどして思うようにいかなかった。

 凝り性の性格に火がついた。インターネットや焙煎のノウハウ本などで情報を集めて試行錯誤。仕入れた豆を水洗いし、薄皮をはがしてから炒ると焦げなくなった。火加減や機械のクセも分かってきて、仕上がりが安定してきたという。

住職自らが原案を出しデザインしたパッケージ
住職自らが原案を出しデザインしたパッケージ

 永井珈琲のコーヒーは、普段は砂糖や牛乳を加えないと飲めないという人にも「ブラックで飲める」と好評で、「雑味がなくて飲みやすい」と言われる。亮俊さんは「焦がさないために取り入れた策だが焙煎前に豆を洗うことでカビや汚れが落ち、飲みやすさにつながっているのかもしれない」と分析。「まだ納得のいく味には達していないが、皆さんに飲んでいただき、もっとおいしくしていきたい」と話している。

 扱う豆の産地はブラジル、コロンビアなど仕入れ状況によって異なる。1袋200㌘1000円〜1500円。当面は「お不動様の縁日」にあたる毎月28日13時〜16時ごろ、境内のテララホールで販売する。問い合わせ、大口の注文は042(558)2918または080(2090)5820まで。(伊藤)