楽しく学べる「多摩かるた」リニューアルして販売開始

 羽村市羽東の伊藤章裕さん(47)が昨年1月に発売した「多摩かるた」(1200円)をこのほどリニューアルし、販売を開始した。三多摩全域を紹介したかるたで、地域の歴史や名所などを遊びながら学べる。リニューアルでは漢字にルビを振り、より小さな子どもでも楽しめるようなった。

 「ま」の絵札は払沢の滝(檜原村)の写真で、読み札は「まだこおらない払沢のたき」。「せ」の札には「せかいとこうりゅうよこたきち」といった具合に多摩の魅力が盛り込まれ、解説書には絵札ごとに説明が細かく書かれている。

 伊藤さんはあきる野市牛沼出身。南秋留小、秋多中、都立砂川高校、駿河台大学を卒業した多摩っ子。卒業後はシステム開発の会社に勤めた後、30歳で独立。現在はソフトウエアやアプリを開発する「アイティーエムクリエイト」を経営している。

多摩かるたを手にする伊藤さん
多摩かるたを手にする伊藤さん

 自閉症の息子、渓さん(23)と一緒にドライブすることが休日の楽しみで、多摩地域の観光地を巡り写真を撮影してきた。歴史好きだったこともあり、地域の歴史や地理などに興味が湧き、掘り下げたいと考えるようになった。

 2018年に群馬県を訪れた際、「上毛かるた」を目にしたという。県民に愛されていることを知り、「自分でも多摩を紹介するかるたを作りたい」と思ったことが制作を始めたきっかけだという。

 「多摩かるた」は昭和初期に西多摩村(現羽村市)で製糸業を営み村議も務めた羽村春市さんらが制作した「奥多摩いろは歌留多」を参考にし、春市さんの孫で「奥多摩いろは歌留多」を復刻した羽村さんの助言を受けて完成させた。

 現在は「多摩かるた」をより楽しめるよう、八高線や西武線、青梅線などの鉄道の絵札をそろえると役になり高得点が得られるなど、独自のルールを考案し「多摩かるた」の公式ウェブサイトで紹介している。

 伊藤さんは「お正月に多摩かるたで遊んでもらい、多摩の魅力を知ってもらえたらうれしい。新たな土産物として認知されたら」と話す。

 購入は公式サイトまたは羽村市観光案内所、福生本町の飲食店「ごしま」で。(鋤柄)